3/13(木)に卒業式を厳粛な雰囲気の中、挙行いたしました。
卒業生一人一人が担任から呼名され、卒業証書をしっかり受け取り、3年間過ごした学び舎を巣立ちました。感極まって涙ぐむ場面もありましたが、これまで中中を引っ張ってきた力を発揮して最後まで堂々と役割をこなしました。

式 辞
今年の冬は寒暖の差が激しく、三月に入っても季節外れの大雪に身が凍えるような日々でしたが、校庭に降り注ぐやわらかな日差しには、ようやく春の気配が感じられるようになりました。
卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。卒業証書を受け取るみなさんの顔には、中学校三年間、義務教育九年間の学びを得て、立派に成長した自信と誇り、やり遂げた達成感、乗り越えた自信と決意が感じられました。みなさんは中之条中学校の卒業生として、我が校の歴史に確かな足跡を残してくれました。
(略)
三年間の教育課程を修了し、この学び舎を巣立つみなさんは、将来、今まで以上の困難に出会うことがあるかもしれません。そんなときに、思い出してほしい言葉があります。それは、「止まない雨はない」という言葉です。長い人生の途中には、心がくじけそうになるくらい辛く悲しい出来事を経験することもあります。どんなに努力しても克服できない壁が立ちはだかるかもしれません。もうどうにもできないと思ったときには「止まない雨はない」と唱えてみてください。この世の中で今までに止まなかった雨は一度もありません。雨の後には、すがすがしい青空が広がります。美しい虹がかかります。水たまりも輝いて見えます。雨の後にはきっと素晴らしい世界が待っています。困難や悲しみに耐え、受け入れ、乗り越えられたとき、以前とは世界の見え方が少なからず変わっているはずです。暗く長いトンネルの先には、必ず明るい未来が待っています。「止まない雨」は絶対にありません。輝く明日を信じて、いまできる精一杯のことを、決してあきらめずにやり続けてください。
さて、在校生のみなさん、卒業生が築いてきた中之条中学校の伝統と校風を引き継ぎ、さらによりよい学校にすることが、皆さんに与えられた大きな役割であり、責任でもあります。一人一人が、中之条中学校の生徒としての自覚をもち、伝統と校風をさらに価値あるものに進化させていってください。
保護者の皆様、本日はお子様のご卒業、誠におめでとうございます。中学校の三年間は、悩みも多く、多感な時期で、心配の種は尽きなかったことと思います。けれども、子どもたちは様々な困難を乗り越え、立派に成長しました。子どもたちが勇気をもって挑戦し、成長できたのは、常に寄り添い、励まし、優しく支え続けてくださったご家族の無償の愛があったからこそです。入学から今日までの三年間、本校の教育活動にご理解とご協力を賜りましたことに、教職員一同、心より深く感謝申し上げます。
また、本日、公私ともにご多用の中、ご臨席を賜りましたご来賓の皆様には厚く御礼申し上げます。中之条町をふるさととし、未来を担う子どもたちが、新たな門出のときを迎えました。卒業生一人一人がこれからの社会をたくましく生き抜いていけるよう、今後とも温かく見守っていただければ幸いです。
卒業生のみなさん、三年間の素晴らしい旅が今日で終わりを迎えます。そして、明日からは新たな旅が始まります。卒業後の慣れない環境での生活には不安もあると思いますが、勇気と希望を胸に、新しい世界の扉を開いてください。新たな自分を創り、節目を大切にして、信頼される人へ自らを成長させてください。他者への思いやり、「和」の心を忘れないでください。中之条中学校の全職員、全生徒が、今後のみなさんのさらなる成長、より一層の活躍を心から願っています。
この中之条中学校、そして、ふるさと中之条町が、いつまでも心のよりどころとして、卒業していくみなさんを力強く支えてくれることでしょう。今までみなさんと関わってくれた全ての方々が、これからも温かく見守り、応援してくれることでしょう。
中之条中学校で過ごした三年間の中学校生活に自信と誇りをもち、これから沢山の人との出会いを通して、決して自分を見失うことなく、強く、たくましく、一歩一歩着実に、自分らしい人生を歩んでいってください。
卒業生百十二名の明るい前途を心から願い、式辞といたします。
令和七年三月十三日
中之条町立中之条中学校長
